最終面接の前後に「人事面談」の案内が来ると、これが選考の一部なのか、もう合否は決まっているのか気になる人は多いはずです。人事面談は、最終面接の前か後か、結果連絡の前か後かによって役割が変わります。案内が来ただけで合否が分かるわけではなく、まず案内文の内容を確認するのが先です。この記事では、人事面談が行われる時期ごとの目的と合否との関係についての見方をまとめます。新卒・中途別に聞かれることと、こちらから確認したいことの伝え方も扱います。
最終面接の「人事面談」とは?「人事だけの最終面接」との違い
「最終面接 人事面談」で検索すると、意味の違う2つの状況が混ざって出てきます。
- 最終面接そのものの面接官が人事担当者だけというケース(これは選考であり、合否がある)
- 最終面接の前後に、面接とは別の場として「人事面談」が設定されるケース(名称だけでは選考かどうか決まらない)
リクルートエージェントの整理では、面接は「採用選考」の場で合否があり、面談は「相互理解」を深める場で、形式的にはカジュアルな位置づけとされています。ただし実際の運用は企業によって差があり、「面談」という名前でも選考の一部として扱われることがあります。
人事担当者だけが最終面接の面接官になるケースについては、担当者や企業規模によって事情が異なるため、この記事では深く扱いません。ABABAの記事では、最終面接の面接官は経営層や役員が担うことが多いとされていますが、人事担当者が同席したり単独で担当したりする企業もあります。どちらのパターンでも、案内メールに「面接」と書かれているなら選考として受け止めて準備するのが基本です。
一方、案内に「面談」と書かれている場合は、面接とは別の枠として設定されているケースを指します。この記事では、この「面談」と呼ばれる場を対象に、いつ・何のために行われるかを見ていきます。
人事面談はいつ行われる? 前・後・内定通知後で目的が変わる
人事面談の案内を受け取ったら、まず次の3点を確認します。
- 最終面接の実施前か、実施後か
- 結果・内定の通知がすでに済んでいるか
- 案内文に「選考の一部」「内定前提の説明」といった目的が書かれているか
案内文にこの3点のどれも書かれていない場合は、人事に当日の目的を尋ねてもかまいません。何を準備すればよいか分からないまま面談に臨むより、事前に確認したほうが無難です。問い合わせの際は、「当日はどのような内容をお伺いできますでしょうか。準備しておくことがあれば教えてください」といった聞き方であれば、選考への影響を心配せずに済みます。
最終面接前の人事面談
最終面接の前に設定される人事面談は、これまでの選考内容のフィードバックを共有したり、就活生・転職者側の疑問を解消したりすることが主な目的です。ABABAの解説記事でも、最終面接前の人事面談はフォローアップの位置づけとして紹介されています。この段階ではまだ最終的な合否は出ておらず、面談が選考結果を左右する度合いも、最終面接後・内定通知後の面談に比べると小さい傾向です。
この面談では、面接官や人事担当者から、これまでの面接で評価された点や気になった点を先に伝えられることがあります。聞いた内容は、そのまま最終面接での回答の見直しに使えます。たとえば「前回の面接で〇〇の説明が少し分かりにくかった」と言われたなら、最終面接ではその部分を簡潔に話せるよう整理しておくといった対応です。
最終面接後・結果通知前の人事面談
最終面接が終わったあと、結果通知の前に人事面談が入ることもあります。この場合は、入社意思の確認や、最終面接だけでは見極めきれなかった点の確認が目的になることが多いとされています。企業によっては、この面談自体が選考の一環として扱われる場合もあるため、「面談だから合否には関係ない」と決めつけないほうがよいでしょう。
この時期の面談では、他社の選考状況や内定が出た場合の入社可能性を聞かれることがあります。正直に答えて構いませんが、志望度が低い印象を与えないよう注意が必要です。志望度が高い企業であれば、「現在〇社の選考が進んでいますが、御社が第一志望です」のように優先順位を明確に伝えると、話がかみ合いやすくなります。
内定通知後の人事面談
内定が決まったあとの人事面談は、条件面の説明と入社意思の最終確認が中心です。ソラール(ジョブ活.MEDIA)の記事では、この段階の面談を「内定前提の条件提示」「入社前の情報提供」の場と位置づけています。給与や入社日といった条件は、この面談で初めて正式に示されることもあります。
この段階では、選考としての合否判断はほぼ終わっていることが多いのが実情です。とはいえ、条件を聞いた上で入社意思を撤回する、あるいは企業側が追加で確認したい事項を伝える、といったやり取りが残っていることもあります。内定通知書や労働条件通知書の内容は、面談の場で読み上げられるだけでなく、その場で質問して確認しておくと、入社後の思い違いを防げます。
人事面談は合否に関係する? 案内だけでは判断できない理由
「人事面談の案内があれば、もう受かっているのでは」と考える人もいます。UZUZの記事やコトラの記事では、企業が面談の時間を確保するのは応募者を引き留めたい意図があるからだという見方が紹介されています。
ただし、これはあくまで一部の転職コラムが示す見方であり、裏付けとなる統計データが示されているわけではありません。面談が設定される時期や企業によって事情は異なり、最終面接後・結果通知前の面談の場合は、まだ選考の一環として追加の見極めが行われている可能性もあります。「案内=合格」とは言い切れません。案内文の内容と自分がどの時期に当たるかを踏まえて考えるのが、実情に近い受け止め方です。
結果の連絡自体が来ない状態が続く場合は、最終面接から1週間・2週間連絡がないときの動き方を確認してください。また、人事面談のあとにもう一度最終面接が設定されるケースについては、最終面接が2回ある理由と対策でまとめています。
人事面談で聞かれること【時期×新卒/中途】
人事面談で聞かれる内容も、時期によって変わります。確認できた範囲を時期ごとに整理すると、下記の表のとおりです。
| 時期 | 共通して聞かれること | 新卒 | 中途 |
|---|---|---|---|
| 最終面接前 | これまでの選考のフィードバック共有、疑問点のヒアリング | — | — |
| 最終面接後・結果通知前 | 入社意欲の再確認、他社の選考状況 | 配属希望、不安点のヒアリング | 現職の状況、入社可能日の確認 |
| 内定通知後 | 条件(給与・入社日など)の説明と確認 | 配属先・研修内容の説明 | 入社日の調整、現職との兼ね合いの確認 |
どの時期でも共通しているのは、「これまでの発言と矛盾しないこと」です。最終面接で話した志望動機や入社後の希望と違う内容を話すと、印象が下がる可能性があります。
新卒の場合は、配属希望を聞かれても必ずその通りになるとは限らない点も押さえておきます。希望を伝えること自体は問題ありません。ただし「〇〇でなければ入社しない」といった断定的な言い方は避けます。「希望は〇〇ですが、会社の判断にも理解があります」程度の伝え方にとどめておくと無難です。
中途の場合は、現職の退職手続きにかかる期間を事前に整理しておくと、入社可能日を聞かれたときに答えやすくなります。退職の意思表示から実際の退職までに必要な期間は就業規則によって異なるため、面談前に自分の会社の規定を確認しておきます。
こちらから確認したいことと、伝え方の注意点
配属・入社日・給与といった条件を確認すること自体は、人事面談の目的の一つです。聞いてはいけないわけではなく、問題になりやすいのは聞き方や伝え方のほうです。
UZUZの記事では、面談での注意点として、第一志望であることを明確に伝える、返信を早めにする、受付対応などへの態度にも気を配る、という点が挙げられています。条件面の確認も、一方的に要求するのではなく、相手の説明を聞いたうえで質問する形にすると伝わりやすくなります。
態度の面では、UZUZの記事が指摘するように、面談の担当者だけでなく、受付や案内してくれた社員への対応も見られていることがあります。オンラインの面談であれば、入室時間や通信環境の確認といった基本的な準備も、印象につながる部分です。
逆質問の具体的な例や、面接の最後に伝える一言については、最終面接の逆質問・最後に一言で詳しく扱っています。
よくある質問
案内に「面談」としか書かれていない場合、選考かどうか確認してよいですか? 確認してかまいません。人事に「こちらは選考の一環でしょうか」と聞いても失礼には当たりません。案内文の時期(最終面接前か後か、結果通知の前か後か)を手がかりに、どの段階の面談かを判断する材料にもなります。
人事面談の後、結果はいつ分かりますか? 人事面談の有無によって結果連絡の早さが決まるわけではありません。結果が来るまでの目安や問い合わせ方は、最終面接から1週間・2週間連絡がないときを参照してください。
人事面談のあとに、もう一度最終面接が設定されることもありますか? 企業によってはあります。面談の中で判断がつかず、再度面接を案内されるケースについては最終面接が2回ある理由でまとめています。
「顔合わせ程度」と言われた場合も人事面談と同じですか? 「顔合わせ程度」という案内は、人事面談とは別の文脈で使われることもあります。実態や対策は最終面接が「顔合わせ程度」と言われた場合で詳しく扱っています。
まとめ
- 人事面談は、最終面接前・最終面接後(結果通知前)・内定通知後のどの時期に行われるかで目的が変わります。
- 案内文に目的が書かれていない場合は、人事に当日の内容を確認してもかまいません。
- 「面談の案内=内定に近い」という見方は一部のコラムで紹介されていますが、裏付けとなるデータはなく、言い切るのは早計です。
- 配属・入社日・給与の確認は面談の目的の一つであり、聞くこと自体は問題になりません。伝え方として、条件を一方的に要求せず、これまでの発言と矛盾しないようにします。
- 結果連絡が来ない場合は、最終面接から1週間・2週間連絡がないときを確認してください。面談後にもう一度面接がある場合は、最終面接が2回ある理由が参考になります。逆質問や最後の一言は、最終面接の逆質問・最後に一言にまとめています。