日本航空(JAL)の新卒採用は、自社養成パイロット、業務企画職、客室乗務職で選考の流れが違います。どの職種にも「最終面接」の段階はありますが、公式が面接官や時間まで書いているわけではありません。
この記事では、JALの公式採用サイトに載っている2027年度入社向けの選考図を職種別に整理し、公開されている選考体験談の形式・質問、結果連絡の時期を扱います。公式に確認できたことと、個人の体験談にとどまることは分けて書きます。確認できなかった項目は、確認した範囲を明記します。
対象は日本航空株式会社です。JALスカイやジェイエアなどのグループ会社は別法人のため、ここでは扱いません。
日本航空の選考フローと最終面接の位置づけ
公式の職種別募集要項では、新卒の職種は業務企画職、自社養成パイロット、客室乗務職に分かれています。選考の流れは募集要項ページ内の図で示されており、以下はその図から読み取れる内容です(2027年度入社向け、2026年3月時点)。確認した募集要項は2027年度入社向けで、2028年度入社向けの要項は確認できませんでした。
| 職種 | 図に示された流れ | 最終面接の位置づけ |
|---|---|---|
| 自社養成パイロット | WEBエントリー → テストセンター・心理適性検査 → 1次面接 → 飛行適性検査・英会話試験 → 2次面接 → 航空身体検査 → 最終面接 → 結果通知 → 内定 | 航空身体検査のあと、結果通知の前 |
| 業務企画職(事務領域) | WEBエントリー → 書類選考&面接選考 → 結果通知 → 内定 | 「最終面接のみ対面」と注記あり。面接の回数は図に書かれていない |
| 客室乗務職 | WEBエントリー → 書類選考&面接選考 → 結果通知 → 内定 | 1次選考と最終選考は対面。最終選考会場は東京 |
出典:自社養成パイロットの選考図、業務企画職の選考図、客室乗務職の選考図
業務企画職
事務系の新卒採用は、公式では「業務企画職」という名前です。コーポレート、オペレーション、ビジネス・マーケティング、データサイエンス・デジタルテクノロジー、エアラインエンジニアのコースがあります。検索では「総合職」と調べる人もいますが、確認した2027年度入社の募集要項に総合職という職種名はありませんでした。
募集要項(コーポレートコース等)によると、応募資格は2027年3月末までに学位を取得見込みの人で、既卒も可です。条件として、企業での正社員としての就業経験がないことが挙げられています。選考タームは春タームのみで、採用予定数は障がい者選考を含め100名程度です。
事務領域の選考図には、書類選考&面接選考のあとに結果通知、内定の順で並びます。注記は「最終面接のみ対面」です。最終面接以外の面接の形式や、面接が何回あるかは、図に書かれていません。日程の詳細はマイページで案内されるとされています。
AI面接の扱い
同じ募集要項には、1次選考でオンライン選考と合わせてAI面接を受ける予定だと書かれています。「AI面接のみでの合否判断はいたしません」という注記もあります。客室乗務職の図にも、適性検査・AI面接の受検期限があります。
客室乗務職
客室乗務職は、春ターム・夏タームのどちらか1タームのみ応募できます。募集要項の採用予定数は、早期選考・春ターム・夏タームを合わせて300名程度です。
図では、1次選考と最終選考は対面で行い、最終選考会場は東京とされています。春タームの結果通知は5月、夏タームは7月の欄に置かれ、内定は10月です。
自社養成パイロットの最終面接:確認できる範囲
自社養成パイロット(運航乗務員訓練生)の募集要項から確認できる点です。
- 選考の段階は前掲の図のとおりで、最終面接は航空身体検査のあとに置かれています。図の月の目盛りでは、最終面接は6〜9月の列にあり、内定は10月です。
- WEBエントリーシートの提出期限は2026年3月22日でした。受験は2027年度入社募集で1回のみです。
- 応募には身体条件があり、事業用操縦士免許を持っている、または過去に取得した人は応募できません。
- 採用予定数は、新卒採用とキャリア採用の合計で50名程度です。
採用FAQには、自社養成パイロットの適性検査は都内の施設で対面実施され、オンライン受検はできないという記載があります。
確認できなかった点もあります。最終面接の面接官、時間、質問内容は、確認した公式ページに記載がありません。面接で英語が使われるかも確認できませんでした。選考体験談も、27卒の本選考については最終面接に至った記載を確認できませんでした(選考の途中で落選と記載された例はありますが、ページ内の表示が食い違っており段階は特定できません。就活会議)。このため、パイロット職の最終面接で何が聞かれるかは、この記事では書きません。
公式の職種紹介では、パイロットに求められるものとして「安全な運航を行う技量とプロフェッショナルとしての志」が挙げられています(職種紹介)。訓練は国内と米国アリゾナ州フェニックスで行われ、副操縦士を目指す流れも紹介されています。志望理由を話す際の材料にはなりますが、最終面接で問われる内容そのものではありません。
最終面接の形式:体験談にある対面・面接官・時間
公式には形式の詳細がないため、公開されている体験談を年度・職種つきで挙げます。いずれも個別の例で、他の年度・職種に当てはまるとは限りません。
| 年度・職種 | 時期・場所 | 面接官・時間 | その他 |
|---|---|---|---|
| 25卒・業務企画職(事務領域) | 2024年4月上旬・対面(東京本社) | 学生1名に面接官2名(人事担当社員)、60分 | 逆質問あり。結果はその場で通知(就活会議) |
| 27卒・客室乗務職 | 2026年4月下旬・対面(日本航空テクニカルセンター) | 学生1名に面接官2名、20分 | 逆質問なし。内定時期は5月下旬(就活会議) |
2例とも面接官は2名でしたが、時間は60分と20分で違います。面接官の人数や時間は年度・職種で変わるため、案内された内容を最優先にしてください。
最終面接で見られること
最終面接の評価基準は公式に公表されていないため、ここでは公式サイトが示している価値観から、準備の軸を整理します。
JALの企業理念は、全社員の物心両面の幸福を追求したうえで、お客さまに最高のサービスを提供し、企業価値を高めて社会の進歩発展に貢献することを掲げています。判断・行動の基準として「JALフィロソフィ」があり、「素晴らしい人生をおくるために」「素晴らしいJALになるために」の2部で構成されています(企業理念とJALフィロソフィ)。
人財本部役員のメッセージでは、JALグループの目標を、「安全」を大前提に「心はずむ社会・未来を創造」し、世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループになることと説明しています。その原動力は「人」で、多様な社員が能力を発揮して成長することが会社と社会の発展につながるとされています(メッセージ)。
これらは選考基準そのものではありません。ただ、志望理由や入社後にやりたいことを話すときに、「安全」を前提にどんな価値をつくりたいのかを、自分の経験とつなげて説明できると、理念との接点が伝わりやすくなります。
体験談にある質問と答え方の組み立て
確認できた最終面接の質問は次の2例です。
回答の中身は、いずれも会員限定のため確認できませんでした。2例しか確認できていないので、「JALではこれが聞かれる」とは言えません。次の例文は、質問への答え方の型を示す編集部の作例で、実際の質問や回答ではありません。
志望理由に使える経営ビジョン2035
JALは2026年3月に「JALグループ経営ビジョン2035」を策定しました。報道(トラベルボイス)によると、投資計画のうちテクノロジー投資は今後5年で約2,600億円、人的投資は年平均800億円規模です。この数字は報道によるものなので、面接で引用するならJALの公式資料で確認してからにしてください。志望理由では、テクノロジーと人への投資のどちらに自分の関心があるかを、希望職種の仕事と結びつけて話す形が使えます。
中途(キャリア採用)の選考
日本航空の中途採用には、業務企画職のキャリア採用があります。公式の募集要項で確認できたのは、次のとおりです。
- 応募はマイページ(JAL Next Career GATE)で、チェックイン、WEBエントリーシート(希望部門を1つ選択)、適性検査の3ステップ。
- 選考は通年で、入社時期は4月・7月・10月・1月の各1日が原則。募集人数に達した部門から締め切られる。
- 業務企画職の中途採用比率として、2023年度の採用実績比率40%、入社実績比率58%が掲載されている。
面接の回数や最終面接の内容は、確認した募集要項に記載がありませんでした。また、中途の最終面接の体験談も確認できていません。募集部門と時期は変わるため、応募する部門の募集ページとマイページの案内を確認してください。パイロットのキャリア向け要項(自社養成パイロット)もあり、学位取得済みで30歳程度までが応募資格として書かれています。
結果連絡の時期:公式の図と体験談の例
2027年度入社向けの図では、結果通知と内定の時期は次のように示されています。
- 業務企画職(事務領域):結果通知は6月の列、内定は10月。
- 客室乗務職:春タームの結果通知は5月、夏タームは7月の欄。内定は10月。
- 自社養成パイロット:最終面接と結果通知はどちらも6〜9月の列、内定は10月。何月かまでは図から特定できません。
日程の詳細はマイページで案内されるとされています。体験談の例では、25卒の業務企画職で最終面接の結果がその場で伝えられ、内定時期は4月中旬と書かれていました。27卒の客室乗務職では、最終面接が4月下旬、内定が5月下旬です。年度・職種で時期が違うため、あくまで個別の例です。
結果が届かないとき
結果が来ない場合に、合否を推測できる公式の情報はありません。マイページの案内を確認し、不明な場合は募集要項に載っている職種別の採用事務局に問い合わせます。
最終面接前に見直したい点
「最終面接で落ちた」という検索もありますが、不合格になった人の傾向を調べた公的なデータは確認できていません。ここでは、公式情報から準備として見直せる点を挙げます。
- 職種を選んだ理由を一貫させる。 採用FAQでは、業務企画職の4コース間と客室乗務職の同一ターム内は併願できず、それ以外の職種との併願は可能で評価に影響しないとされています。複数職種を受ける場合は、それぞれの志望理由が矛盾しないか見直します。
- 対面の準備をする。 業務企画職は最終面接のみ対面、客室乗務職は1次・最終とも対面とされています。会場までの移動時間や、受け答えの練習を対面前提で整えます。
よくある質問
日本航空の最終面接の合格率や倍率は公表されていますか?
確認した公式ページには、最終面接の合格率や倍率は載っていませんでした。確認できるのは採用予定数で、2027年度入社の業務企画職が100名程度(障がい者選考を含む)、客室乗務職が300名程度、自社養成パイロットが新卒・キャリア合計で50名程度です。応募者数が載っていないため、採用予定数から通過率は計算できません。
最終面接の面接官は何人ですか?
公式には書かれていません。体験談では、25卒の業務企画職と27卒の客室乗務職の最終面接が、どちらも面接官2名でした。
最終面接の結果はいつ分かりますか?
2027年度入社向けの公式の図では、業務企画職の結果通知は6月、客室乗務職は春タームが5月・夏タームが7月の列にあります。体験談では、25卒の業務企画職で最終面接の場で結果が伝えられた例があります。
まとめ
- 日本航空の最終面接は職種で位置づけが違う。公式の図では、自社養成パイロットは航空身体検査のあと、業務企画職は「最終面接のみ対面」、客室乗務職は1次・最終とも対面(2027年度入社向け)。
- 面接官・時間は公式に記載がない。体験談では、25卒の業務企画職が面接官2名・60分、27卒の客室乗務職が面接官2名・20分だった。
- 自社養成パイロットは、本選考の最終面接の体験談を確認できなかった。公式の図では最終面接と結果通知は6〜9月、内定は10月。
- 志望理由は、企業理念・JALフィロソフィの「安全」を前提とした考え方と、経営ビジョン2035(報道ベース)の投資方針を自分の経験と結びつけて準備する。
- 合格率・倍率は確認できる公表値がない。結果は公式の図とマイページの案内で確認し、届かないときは採用事務局に連絡する。